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【ラグビートップリーグ】にわかファン大興奮キッカー対決!田村優VSダン・カーター

ラグビートップリーグ2020の開幕戦は長年のラグビーファンだけでなくワールドカップから興味を持った”にわかファン”も楽しめる好カードの試合がたくさんありました。

その中でも特に注目したいのが神戸製鋼対キヤノンの試合。何故ならラグビーファンならだれもが知っているスタンドオフのトッププレーヤー対決が初戦から見られるからです。

神戸製鋼擁するダン・カーター選手はオールブラックスのスタンドオフで有名な選手。キヤノン擁する田村優選手は我らが日本代表のスタンドオフです。

ラグビーのキッカーポジション、スタンドオフとは?

2019年ワールドカップでは、各チームがキックを多用した戦術をとったことや、トライ後のコンバージョンキックをスタンドオフのポジションの選手が蹴ることが多かったことから「キッカー」という位置づけをしている方が多いのではないでしょうか。

それも間違いではないのですが、スタンドオフがポジションの選手に最も求められることはリーダーシップをゲーム中に発揮することです。

具体的にはボール回しを先導するスクラムハーフの選手とともに前衛の選手と後衛の選手のつなぎ役となり指示を出す役目となります。

指示を出しながら自分自身でもパスやタックル、キック、ランをこなすため高いセンスが必要となるポジションです。

キヤノン対神戸製鋼 田村優選手とダン・カーター選手

先ほど書いたような高い身体能力と頭脳を持つスタンドオフの有名選手を擁する両チームの戦い。これが初戦から見られるのが日本のトップリーグのすごいところ。

しかもキヤノンには日本のスクラムハーフ田中史郎選手もいます!そんな熱い試合の両チームのスタメンがコチラ。

注目選手を書き出したら、中島イシレリ選手や山中選手、ラファエレティモシー選手etc…それだけでエゲツナイ文量になりそうなので試合結果に移ります。

注目の初戦!ダン・カーター選手のキックオフから波乱の展開に

ラグビー日本代表選手が多数出場することもあり、大観衆の中で神戸製鋼ダン・カーター選手のキックオフで試合開始。そのキックオフがなんと直接場外に出てしまいます。

これは反則になってしまうのでキヤノンボールのスクラムから試合が開始するという波乱の展開となります。
前衛(フォワード)の総体重は神戸が906キログラムでキヤノンが847キログラムで体重だけ見ると神戸が優勢。

キヤノンのSH(スクラムハーフ)田中史郎選手は早めにボールをスクラムから出して田村優選手に回します。田村選手は神戸陣地深くでプレーできるように、すぐさまキックを蹴り込みます。これをダン・カーター選手が処理、蹴り返します。

これを田村優選手がさらに蹴り返すというスタンドオフ同士の探り合いが試合開始早々見られました。このあとキック処理後のパス回しを神戸製鋼が誤りスローフォワード。再びスクラムを組むことになります。タイミングが合わず審判が一旦両チームを諭して組みなおし。

神戸製鋼が優勢にスクラムを支配して10メートル地点でペナルティゴールを選択。ダン・カーター選手がキッチリと決めてスコアは3-0で神戸製鋼がリード。田村優選手のキックオフから試合が再開。ダン・カーター選手がタッチに蹴りだしてキヤノンのラインアウト。

攻守が頻繁に入れ替わる展開の中、ダン・カーター選手がランでも技術力の高さを発揮。ステップでキヤノンディフェンスを次々に抜け出して、この試合ではNo.8を任されたタウムア・ナエアタにパス。正ポジションのLO(ロック)適性の体格を存分に生かして陣地を進めます。最後は12番のセンターのポジションに入ったユーティリティープレーヤーのリチャードバックマンがキッチリトライを決めて8-0点差を広げます。

キヤノンもやられっぱなしではありません。前半13分HO(フッカー)の庭井選手174cm/100kgの体格やフッカーとしての器用さを生かしてジャッカルを決めます。キヤノンはショットを選択して田村優選手に委ねます。

田村優選手がしっかりと期待に応えて8-3。神戸製鋼のダン・カーター選手のキックオフでの再開。ここで神戸製鋼が仕掛けます。キックをわざと短く蹴って競り合いに。

キヤノンの守備に上手く穴をあけて山中・山下のスピード&テクニックの走り屋コンビであっという間に鮮やかなトライを決めます。これでスコアは15-3。

ここから両チームが一気にギアを上げて様々な仕掛けをしようとしますが気持ちが先行し互いにペナルティが増えてしまいます。そんな展開の中でも試合を動かしたのは神戸製鋼のダン・カーター選手。タックルやランの個人技でキヤノンのディフェンス陣をばらけさせ孤立した穴に2-1で攻め込みます。

最後は並走していたスクラムハーフの日和佐選手がトライを決めて22-3。神戸のワンサイドゲームになりそうな雰囲気を壊したのはウィングの山田選手。

22メートルライン付近までランで一気に運びます。最後はセンターの三友選手がトライを決めます。田村優選手もコンバージョンキックを決めて22-10ここで前半が終了です。

神戸製鋼のラン技術が光った前半

前半はフォワード選手は、ほぼ互角の力比べ。そのためスクラムやラインアウトからボールを押し込んでいく展開は少なかったです。そこからスクラムハーフにボールが渡った後の手数の多さを競った前半だったという印象です。

例えば、ダン・カーター選手がランで独走したりキヤノンの庭井選手がジャッカルに行ってみたりと両チームの選手の個人技が光った前半の40分間でした。
点数だけ見ると2トライ1キック差がつきましたが一方的に神戸製鋼がせめてキヤノンが防戦一方というよりはトライの詰めの一手を神戸製鋼がより多くの準備してきたオプションを披露できたという印象でした。

ラグビー日本代表の中島イシレリ選手が魅せた後半戦

ハーフタイムが終わり、選手入場の際に会場が総立ちで沸きます。ワールドカップで大活躍した神戸製鋼の中島イシレリ選手が投入されたからです。

イシレリ選手はプロップという最前線で味方のために身体を張って突破口を作る役目で登録されていますがナンバーエイトのポジションも経験している選手です。

ナンバーエイトとはフォワードのリーダー的ポジションでモールやスクラムの際に指示を出したり、率先して相手とぶつかり合いをして時にはトライも奪う切り込み隊長的な役目のポジションです。

会場の興奮が冷めやらぬ中で後半30秒で試合が動きます。神戸製鋼がボールを前にパスしてしまう反則を犯してスクラム。ボールの争奪戦の中で地面に倒れている選手がボールを扱おうとした反則でキヤノンボール。キヤノンはキックを選択します。

しかし、ここでアクシデントが発生。フォワードの味方選手の肘が田村選手の顔面にもろに入ってしまい、田村選手は立ち上がれず。審判に代わりの人がキッカーを務めるように促されて三友選手がペナルティゴールを決めて22-10の2トライ差に点を詰めます。

ここまではバックスの個人技合戦が注目を浴びましたが後半戦はフォワード陣の肉弾戦に会場はくぎ付けでした。神戸製鋼のリチャードバックマン選手がランで残り10メートルラインまでボールを運ぶも最後は詰め切れずにノックオン。キヤノンボールのスクラムになります。

ここで早々にキックで陣地を戻そうとしますが、まさかのキックミスでタッチを割ってしまい、さらにはボール争奪戦でノットロールアウェイの反則を取られ10メートルの位置から神戸ボールでラインアウトに。そのままモールを組んでトライまで持っていくことに成功します。ダン・カーター選手もキッチリとコンバージョンキックを決めて29-13。

後半10分、神戸製鋼のハンドリングが乱れてキヤノンボールに。残り5メートルまでボールを運びますが落球。オフサイドのアドバンテージをもらっていたため、ショットを選択します。これを田村優選手がキッチリと決めて29-16に。

この後キックオフで再開。キヤノンがマイボールにするも中島イシレリ選手が猛攻をかけてボールを奪取。神戸製鋼のウィング、アンダーソンフレイザー選手がポジション通りの仕事をしてトライ。点差を36-16に広げます。

神戸製鋼の猛攻は続きます。61分リザーブで登録されていた23番モエアキオラ選手が独走でトライ。43-16に。

最後はホーンがなりますが神戸製鋼はパスを回し続けて最後は山中選手とレタリック選手のコンビネーションランで50-16.ノーサイドとなりました。

このゲーム、個人技やモールなどのチームプレイ、どちらも高レベルで、これぞラグビーというファン大満足の待っててよかったと思える試合でした。