【働き方改革とは何か】中小企業存続の危機!?背景と目的を知ろう

働き方改革

働き方改革関連法案が施行されて半年が経ちました。
ニュースにも頻繁に取り上げられる話題の1つですが、この法律の背景や目的を理解しきっている人は多くないのではないでしょうか。

今回は「働き方改革」の背景や展望を理解してもらい、ご自身の働き方を省みるきっかけにしてもらえればと思います。

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働き方改革の目的とは何か

日本は2030年には総人口の3割が65歳以上の超高齢化社会になるとされています。
超高齢化社会になると、深刻な労働力不足になります。
超高齢化社会の労働力不足を解消するために

  • 働き手の増加
  • 出生率の上昇
  • 労働生産性の向上

これらを実現させるための諸施策が「働き方改革」です。
具体的に解説していきます。

人口減社会の日本では労働力の確保が最優先課題

何かを生産してそれを市場に出して経済をよりよく回していくために、まずは働いてくれる人を確保する必要があります。

人口が減っていく社会の中で、労働力を確保する難易度は年々上昇しています。

(https://ten-navi.com/hacks/article-280-25516より)

日本は既に人口減少社会に入っているため
新しく労働力が生まれる可能性は低いです。
外国人労働者という選択肢もありますが。

そうすると、働けるが現在は働いていない人に働いてもらうこと。
現在、働いてくれている人たちにもっといい仕事をしてもらうこと。

この2点が労働力不足に対しての現実的な打ち手になります。
働けるが現在は働いていない方として主婦が挙げられます。

日本は新卒一括採用でビジネスのキャリアが始まりすが、女性の場合は結婚や出産のようなライフステージの変化でキャリアが途切れがちです。

そこで出生率を向上させるため、育休や産休制度を充実させ、かつ子供がある程度、手を離れたら職場復帰してもらうプランです。

また、モスフードカンパニー(モスバーガー)などの大企業ではシニア層の活用で働いてくれる人をうまく集めています。
シニア層を活用するためには職場環境の整備が不可欠です。

重たい荷物を運ばない仕組みづくりや機械の導入が必要になります。

少しでも職場や人材に投資をしていくことが働き方改革の近道となります。

働き方改革で残業を減らせ!有給取得率を上げろ!

働き方改革は人口減から日本の経済力を落とさないことも目的の1つですが本来の目的は生産性の向上で、経済力を上げることです。

時間あたり労働生産性はG7のなかで最下位
有給休暇消化日数は世界で最下位
年に10日ほどしか取得していないです。

最初は企業への努力目標でしたが、
あまりにも働き方改革が進まなかったため
トップダウン式で法律を作り強制的に進めることになりました。

働き方改革関連法案の骨子

  1. 残業時間の上限導入
  2. 年次有給休暇の取得義務
  3. 割増賃金率の猶予措置廃止
  4. 勤務間インターバル制度
  5. 高度プロフェッショナル制度
  6. 産業医の機能強化
  7. 同一労働同一賃金

これらの7つをテーマに法整備が進められました。
1つずつ見ていきましょう。

まずは残業時間の上限導入ですが、
これは時間外労働の条件を休日労働も含め
年720時間、月100時間を上限と定めたものです。

次に年次有給休暇の取得義務化です。
年に10日以上の有給休暇がある労働者に対し、うち5日以上の取得を企業側に義務化しました。
この取り決めの勘所は2つです。
1つ目が雇用形態に関係なく10日以上の
有給を持ってる人に適用されること。
もう1つは責任の所在が企業側だと明言されていることです。
労働者にとっていいですよという権利は勿論、強制的にでも取らせないと企業側に罰則を科すという内容です。

3つ目は割増賃金率猶予措置の撤廃です。
こちらは月に60時間以上の時間外労働に対する割増賃金率(50%)の導入について中小企業に対して行われていた猶予が撤廃されます。
これにより中小企業も特定の優秀な人材に
頼りっぱなしの状況から脱却せざるをえなくなります。

4つ目の勤務間インターバル制度です。
これは労働者の健康を守るために
勤務の終了時間と翌日の開始時間の間に
一定時間休息を設ける規定です。
但し、何時間以上開けるという規定は定められていません。

5つ目は高度プロフェッショナルです。
高度に専門的な職務に就き、一定の年収を融資得ている労働者は労使合意の上で、労働時間等の規定の対象外とできる制度です。

6つ目は産業医の機能強化です。
事業者が衛生委員会・産業医に対して
健康管理に必要な情報を提供することが
義務付けられました。
職場での健康管理により注力すべきというメッセージだと思います。

最後は同一労働同一賃金です。
正規雇用と非正規雇用で区別せず
不合理な差をつけることを禁じたものです。
現在の賃金格差は100:65で3割以上非正規労働者は賃金で割りを食っています。

このように労働者を守り、健康的に働けるよう様々な規定ができました。

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中小企業の働き方改革への対応

先ほどの7つのテーマのなかで中小企業には
施行が猶予されている項目が3つあります。

  • 残業時間の上限導入(2020年4月)
  • 割増賃金率の猶予措置廃止(2023年4月)
  • 同一労働同一賃金(2021年4月)

これらを企業規模が小さな会社ですぐに導入となると特定の従業員への業務過多、さらなる人手不足、法定休日への振替という抜け道、人件費の増加による倒産などです。

このような問題ありますが、エコノミストの中には日本の中小企業のあり方を揶揄する人もいます。
先日の日経新聞記事からの引用です。

国内総生産(GDP)は人口かける生産性なので、人口が減ると生産性を上げないといけない。
しかし日本の産業構造はあまりにも非効率だ。
従業員30人未満の企業で働く労働人口の比率が高すぎる。
労働力が集約されていないので、大幅な生産性向上はほぼ不可能だ。

この問題を解決するには包括的な経済政策が必要だ。
中小企業を合併させて数を減らし、労働者を中堅企業と大企業に集約させる。
それには企業に合併するメリットを提供すると同時に、最低賃金を引き上げて生産性の低い企業を刺激する必要がある。

このような意見もありますが、現状ではほとんどの日本人は、いわゆる中小企業勤めです。国主導で会社のあり方まで変えていけるのか。

働き方改革の道のりは、まだまだ険しそうです。

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