ラグビートップリーグはプロ化するのか?祭りのあとの政(まつりごと)

ラグビープロ化

ラグビーワールドカップも残すところ2試合になりました。
昨日の試合では大本命のニュージーランドをイングランドが破りました。
この文章は南アフリカVSウェールズの試合を見ながら書いています。
前評判通りキックの試合になりそうですね。
(今、前半18分です)

日本では戦いを終えた代表選手が連日メディア出演をしてラグビーを盛り上げてくれています。
実はW杯が始まる前から、2021年からのプロ化構想が議題に上がっています。
ラグビーはプロ化を足掛けに、バスケのように地域社会と一緒に発展を遂げたり、サッカーのように人気スポーツに一気に駆け上がっていくのか。
本日はラグビープロ化について書いていきます。

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なぜラグビーのプロ化が議論されているのか

理由は2つあります。1つは日本ラグビー界を存続させるため、2つ目は日本代表をより強化していくためです。
日本のラグビー界の財政状態はかなり残念なことになっています。

下表は2017年度のラグビー主要国の支出額と収入額をまとめたものです。

順位 支出額 収入額
1位 フランス フランス
2位 イングランド イングランド
3位 日本 ニュージーランド
4位 ニュージーランド ウェールス
5位 ウェールス 南アフリカ
6位 南アフリカ オーストラリア
7位 アイルランド アイルランド
8位 オーストラリア スコットランド
9位 スコットランド イタリア
10位 イタリア 日本

要因としては日本の普段の試合である「トップリーグ」の知名度が低いため、チケットが売れないことです。
もちろん、どの試合でも観客はいますが、6割がクラブを持っている企業が購入し配っているチケットのため上手く収益化できていない現状です。前回の記事で日本代表は選手の「誇り」に依存しすぎている面を書きましたが、日本のラグビー界全体としてはクラブチームを持つ企業のCSR(社会への貢献)活動に依存しています。

年間10億円以上の費用がチーム維持のためにかかります。企業の業績が好調なうちは大きな問題は起こらないかもしれませんが、業績次第でトップリーグを脱退してしまうクラブチームが出てしまうと収益性のないラグビーは廃れてしまいます。ラグビーチームをプロ化し、別法人としてCSR活動から切り離し収益的に自立させることがプロ化の目的の1つです。それがラグビー界を存続させることに繋がります。

トップリーグに所属している外国人選手の多くがプロ選手です。つまり、ラグビー関連の仕事しかしません。一方で日本人選手のほとんどがプロではないため会社の仕事と兼務しています。日本人選手の年収は高くても3000万円ほど。1億円プレーヤーがたくさんいる野球選手と比べるとインパクトは少ないですよね。プロ化することで年収の面はもちろんですが、選手たちはラグビーの普及活動に専念することができます。その結果、子供たちはラグビーに興味を持ち、未来の日本代表が生まれます。

日本ラグビープロ化は実現するのか

日本ラグビーフットボール協会は清宮克幸副会長が音頭を取りプロ化を推し進めようとしています。彼はプロ化で下記3つの課題を解決しようとしています。

  • 協会やチームの不安定な財政基盤
  • 企業依存
  • 代表強化及び育成財源の確保

解決のための4つの柱は
・W杯予選開催12都市をそれぞれ本拠地としたチームを作る。

都道府県 都市
北海道 札幌
岩手 釜石
埼玉 熊谷
東京 調布
神奈川 横浜
愛知 豊田
静岡 袋井
大阪 東大阪
兵庫 神戸
福岡 福岡
大分 大分
熊本 熊本

・チケット購入データを用いたデジタルマーケティング
今はクラブチームを持っている企業に財源を任せきりですが、上記12都市の本拠地の企業にスポンサーについてもらいチームの財源と地域の活性化を両立させるための道具です。プロ化に成功した事例としてバスケットボールの日本プロリーグ「Bリーグ」を挙げることができます。バスケットボールの協会はチケットを買うときに住所・氏名・年齢の入力がマストです。それらのデータをマーケティングに活かし協賛を獲得するのです。それにより地元企業300社から協賛を得ることができ、日本人の1億円プレーヤーも誕生しました。協賛してもらい、それを選手のモチベーションやチーム力の強化に投資することでチームはさらに強くなりファンの数やファンの思い入れが深くなることで協賛企業の広告効果も増大し、win-winな関係を築くことにもつながります。
・チームの別法人化
現状は企業のCSR活動に含まれるクラブチームを別法人にすることで、責任の所在の明確化と各クラブチーム自身の創意工夫や競争をあおる者です。また目玉施策の1つとして各クラブにジュニアチームを作ることを義務付けており、未来のラガーマンの育成を行っていく予定です。
・スタジアムを12に増設
最初のコメントの最終形態です。野球をイメージしていただくとわかりやすいと思います。各チームが「ホーム」を1つずつ作るイメージです。

ラグビープロ化の課題は?

バスケットボールのプロ化を手本として推し進める方向性は定まっていますが、スタジアムの確保と既存チームの態度が煮え切らないことの2つが課題です。スタジアムはサッカースタジアムや大きな競技場でラグビーの機能があるところとして12都市ありますが他の協議との調整が必要になります。もう1つはトップダウンですべて決められるものではなく各企業との話し合いが、まだ本格化していないため何とも・・という現状です。

ラグビーの大きな舵取りができるのはW杯で注目が集まっている今だけです。
しばらくは清宮氏の「政」からも目が離せませんね。

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