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【繊細な人は営業職に向いてません】それでも配属されたら?

最近、SNSやテレビの特集で「HSP」や「繊細さん」という言葉が頻繁に取り上げられています。新しい言葉や概念が生まれると様々な診断ツールが登場し「自分もそうだ」「実はHSPではないか」と自称繊細さんが多く登場しています。
自分自身のキャラ設定を、どのように位置付けようが自由ですが、生きづらさやモヤモヤを表に出すことのメリットとデメリットの両面を押さえておく必要があります。この記事では思うように業績が伸ばせておらず、なんとなくモチベーションが上らない営業職や接客業を中心とした社会人に向けて、自分の個性と正しく向き合い、より良い仕事やより良い人生設計をするヒントになれば嬉しいと思い書きました。自分自身の個性を現実逃避やモチベーションが上がり切らない言い訳に使うのではなく、個性と向き合い活かしていくための思考法を紹介します。

繊細さんを自称することのデメリット

まずは繊細さんやHSPを自称することのデメリットを考えたいと思います。
そもそもメンタルが弱いとは、どのような状態を言うのでしょうか。
長期間にわたる心理学の研究で人間の性格は5つの特性(通常「ビッグ・ファイブ」)の強弱と、その組み合わせによって説明できると考えられています。メンタルが弱い人の特徴は、5つの特性のうちの「神経症的傾向」が強い傾向にあります。神経症的傾向とはいわゆる「周りの目が気になりやすい状態」です。周りの目が気になりやすいことで集中力を継続させづらかったり、新しいことに挑戦するときに乗り越えるべきハードルを高く感じてしまう傾向があります。
SNSやプライベートでは

「自分は繊細で悩みやすい性格だ」
「繊細さんで会社員として苦労している」

こんなことを言っても、同じような悩みを抱えている人から共感してもらったり、慰めてもらったりして、あなたの精神の支えになるでしょう。
一見、何のデメリットも無いように思えますが、アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーの「認知的不協和の理論」に照らし合わせると大きなデメリットがあります。人間は自分の認識と自分の行動を一致させようと本能的に調整する機能が備わっています。そのため、自分自身をメンタルの弱い人間だと発信してしまうと認知的不協和を解消しようと、自分の弱い部分に視点が向きやすくなってしまいます。結果として本当にメンタルの弱い人間だと認識してしまうようになるのです。

営業職に配属された繊細さんがやるべきこと

最近では内気な人や陽気では無い人が営業職に配属されたときに助けになるとされる本が数多く出版されています。役に立つ記述も多くありますが、心にとどめておくべきことが抜けているケースもあります。それは「仕事の本質は相手との関係性で決まる」と言うことです。つまりはあなた自身が繊細かどうか社内の人、社外の人問わず関心を持ってくれないと言うことです。もっと具体的に言うとあなたが「繊細かどうか」ということはどうでもよくて「ちゃんと仕事をしてくれるか」と言うことが重要なのです。このことから「繊細さ」に対する対策として有効なのは、あなた自身の立ち振る舞いを、精神的にしんどくならずにやり遂げる方法を探すことなのです。
アメリカのボストン大学のロブ・クロス博士が2004年に出した「The Hidden Power of SocialNetworks」の論文で4万人の社会人を4年間に渡って追跡し、業績の良い社会人と悪い社会人の人付き合いについて調査した研究があります。その結果3つの傾向があることがわかりました。

  • 相手の要望を引き出し、自分ができることを伝える
  • 直属の上司とベッタリしない
  • 定期的に人付き合いを見直している
    1. ひとつずつ説明します。
      まずは「相手の要望を・・」ですが端的に言うと「空気が読める人」という印象を与えられるかどうかです。業績が良い社会人も悪い社会人も共通して、一定の人付き合いがあると思います。しかしながら業績の悪い社会人は「いかに自分がスゴイ人間だ」と印象づけるかに気を配るあまり、求められていない自己アピールを披露してしまい、周りの人から冷めた目線で見られてしまい人付き合いが広がらない、結果として新しいチャンスや成長の機会を逃してしまうという分析結果でした。一方で業績の良い社会人は、まずは相手の立場や状況に対する質問を投げかけてから、それに合わせて自分の話をする傾向にありました。その結果、相手から「空気の読める人間だ」と認識され人付き合いの幅が広がったり、社内での繋がりが広がったりして多くのチャンスを得られ良いキャリアを歩める確率が高まるということでした。要するに「良いヤツで紹介しやすい、紹介しても恥ずかしく無い」という印象を持たせることが大切だとわかります。
      次に「直属の上司とベッタリしすぎない」これはどういうことかというと直属の上司と思考のパターンや価値観が似てしまい、新しいアイデアや人間関係の広がりが妨げられてしまう可能性があるということです。決して直属の上司をないがしろにしても良いという話ではなりません。
      では、業績の良い社会人は、どのような人間関係を築いているのでしょうか。それは社内で独自のネットワークや技術を持っている人と、ゆるく関係性を保ち続けるということです。頻繁な飲み会やミーティングをする必要はなく、月に何回かのメッセージや電話でのやり取りだけで問題ありません。
      最後は人付き合いを見直すことです。業績を順調にあげている社会人は2、3年で人付き合いを大きく変えています。
      重要なことは、自分が成し遂げたいことや成長したいステージに合わせて、戦略的に人付き合いを変えていくことを意識することです。
      では、繊細さんがうまく人付き合いを変化させていくためには、どうすればいいのでしょうか。

      繊細な営業職のための戦略的人脈術

      結論から書いてしまうと、人と合う目的や話すべき事、場を盛り上げるための質問事項をあらかじめ定めておく事です。

      繊細じゃなくても、それぐらいやるよ

      という声も聞こえてきそうですが、許される曖昧さの加減が全然違うのです。
      もともと人付き合いが得意な人と、繊細さんでは同じ場面・同じ相手でも自分にかかる重圧が全然違います。
      繊細さんは相手の表情を深く読み取ったり、ちょっとした表情の変化にも敏感すぎるくらい気が回ります。アメリカのフランクリン&マーシャル大学が行なった研究で86人の学生に24枚の顔写真をつけて、感情を当ててもらうという実験があります。86人の学生をグループ分けして1つのグループには

      これは社交スキルを測る実験です

      もう一方のグループには

      これは一般常識を測る実験です

      このように伝えます。
      結果は「社交スキルを測る実験」と伝えたグループは表情を当てるスコアが実際の能力より低くなり、「一般常識のテスト」と伝えたグループは実力通りのスコアが出せ、かつ表情も正確に読み取っていたという実験結果となりました。
      この実験からわかることは「繊細さん」は相手の表情を正確に読み取る能力は高いのですが、プレッシャーがかかったり気を配るべき対象が多い環境では本来の力を発揮できない場合があるということです。
      アプリをたくさん開いている状態だったり、タブをたくさん開いている状態を想像してみてください。本来であれば素晴らしい性能を持っているパソコンやスマホでも本来の能力を発揮できていない状況を想像してみてください。
      これを回避する方法は「IF then planning」という方法です。読んで字の如くですが、事前に「●●したら✖︎✖︎する」と決めておくことです。

      • 次の予定が入っているときは事前に体積時間を伝える
      • お客様から想定外のことを言われたら、想定外だった旨を正直に伝え返答時間を自分から伝える
      • 先送りしたくなるタスクが発生したら」、その場で1分だけ手をつけてみる

      事前に行動を決めておくことに対して不安に想うひとがいるかもしれません。しかし心配は無用です。カナダのウィルフリッド・ローリエ大学の実験では行動や発言の一貫性を高めるだけで友人・知人との親密性が高まったという実験結果があります。
      行動の一貫性を高めることは、あなた自身を精神的に安定させるだけではなく、周りにも安心感を与えます。ビジネスの世界で何かが決まるのにもっとも重要な要素は「空気感」つまりは雰囲気です。雰囲気を作る人はカリスマ性がある人だと言われています。
      先述したカリスマ性に大きな影響を与える要素の一つとして「安心感を与えること」が挙げられます。2016年スタンフォード大学のエマ・セパーラ博士のレビュー研究によるとカリスマ性が高い人は次の6つの要素に長けているという結論が出ています

      1. 共感力
      2. 傾聴スキル
      3. アイコンタクト
      4. 情熱
      5. 自信
      6. 言語化スキル

      まずは共感力ですが「繊細さん」が一番間違えやすい項目だと思います。
      相手が何かを提案してきたときや雑談のときに相手の意見に合わせることが共感ではありません。

      正しい共感力とは「相手の立場で物を考える力」のことです。
      これは、相手にどんなバックグラウンドがあって、どんな行動を期待して言葉を発しているのか考える力です。
      あなたは必ずしも従う必要はありませんが、相手に「あなたの考え方を理解していますよ」という想いを相手に全力で伝える事を共感力といいます。
      共感力を発揮する事で、相手はモチベーションが高められ、あなたにカリスマ性を感じる事になります。

      次に大切なのは「傾聴スキル」です。
      これも共感スキルに包含されても良いと思う能力ではあるのですが、相手に「自分の話を聞いてもらえている」という感覚をどれだけ持ってもらえるかという力です。
      雑談でも商談でも相手と話していると必ず「キーワード」が含まれています。
      「実は・・」
      「ベストは・・」
      このようなワードを拾い損ねずに深掘りする力が「傾聴スキル」なのです。
      傾聴という言葉だけみると聴き方のスキルのように思いますが、実は「聴いてますよ」という姿勢をアウトプットするスキルなのです。
      3つ目はアイコンタクトです。
      「目は口ほどに物を言う」といいますが、アイコンタクトは共感や、話の間を置くときに相手に言葉より早く深く届くことになります。
      4つ目は情熱です。この項目で注意すべき点は情熱を「熱く語る事だ」というイメージで捉えてしまうと、失敗してしまいます。大切なのは相手の行動や発想を褒め称えて相手の気分が上がるように「励ます技術」だと読み替えて見てください。
      5つめは自信です。自信は「安定感」と読み替えて見てください。安定感を持っている人は信頼されやすく「勝ち馬」として見られやすくなります。
      最後の6つ目は言語化スキルです。相手に共感を伝えたり、相手を讃えようとしたとき、うまく言葉が出てこず「すごいね」「よかったね」などありきたりな言葉をかけてしまってモヤモヤした経験を持つ人も少なくないと思います。自分の気持ちを、その人らしく伝えられる人がカリスマ性を獲得していきます。

      繊細な営業職が性格を変えるための方法

      少し話が散らかってしまいましたが、最後に「繊細さんだ」と自覚がある営業職が前向きに仕事をするための気持ちの持ち方を紹介したいと思います。
      「繊細さん」は自分は運が悪い人間だと自分をせめてしまう人が多いように思います。自分を責めてしまってばかりだと、どんどん自身を失ってしまい。うまくいくための新しい方法を試す気力も徐々になくなってしまうのではないでしょうか。
      そうならないための一番の方法はたくさん情報を収集し、実際に試して見て、それを記録に残す事です。
      記録に残す事で、「失敗」という意識から「試行」という意識に代わり性格がどんどん前向きになっていくことが様々な心理学実験ですでに実証されています。
      たくさんの方法を試す土台づくりで最も効果的なのは読書だと思います。読書に書かれている成功法則は、誰かが実際に行動して試行錯誤した結晶です。そのため闇雲に動くより成功する確率は高いと言えます。自分にあっている本を探すにはとにかくたくさんの本を流し読みでもいいので目を通して見ることが重要です。
      私がオススメしたい方法は「Kindle Unlimited」などのサブスクリプションサービスで飽きたら、すぐ本を閉じられてあとぐされなく、次のほんに移れる環境を作ることだと思います。

      私のオススメがメンタリストDaiGoさんの書籍です。様々な方法論がわかりやすくまとめられており、自分にとって実行しやすいものを選び試していくことができます。
      他にも「マンガで学ぶ」のシリーズや雑誌なども読めるため、ビジネスマンに必要な様々な知識が効率的に収集することができます。
      知識を得られているという感覚を少しでも持つことができたら、自分の心に余裕が生まれ、相手の話に集中できたり、気が散る要因に目がむきやすくなります。
      しっかりと知識武装をして充実したビジネスマンオーラを作っていきましょう。

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