twitterをやっていて、よく知らない人からリプ(コメント)がたくさんきたら怖いですよね。
最近ではSNSでの誹謗中傷問題の対策が特に急がれています。
有名人ではなくても気持ち悪いリプや見ず知らずの人がどんな人からきているか把握できれば、少しは気が楽になります。
そんな画期的なシステムが話題になっているので紹介します。
twitterのリプ分析、リプライユーザ可視化システムが話題
可視化するとわかることは色々あるみたい.週末費やしてしまったので,まだまだ改良したい点は多いけど,本業に戻らねば・・・
誹謗中傷対策として炎上時のリプライ可視化システムを作ってみた|tori @toritorix #note https://t.co/AtdhDVTsXD
— tori tori (@toritorix) May 31, 2020
このシステムを作ったのは東京大学大学院で計算社会科学を研究している鳥海不二夫准教授です。
「note」でツールの使い方や、開発経緯を綴っておられるので、かいつまんで紹介します。
- SNSの炎上を研究対象の1つとして扱っている
- SNSの炎上で痛ましい事件が起きた
- 社会全体で炎上に加担している人は1.5%程度
- 炎上させられた人は社会全体から攻撃されているように思う
- リプライの統計データを見ることで敵が「社会全体」でないことがわかるのではないか
リプ、コメント分析ツールは思い悩む人を救うカギ。ネットの炎上は何故タチが悪いのか
まずは社会問題としてSNSの炎上が無視できないレベルまで、膨れ上がっています。
皆さんの記憶に新しいのはテラスハウスの出演者がなくなってしまった事件だと思います。
命を立ってしまったため、大きく報道されましたが、芸能人や著名人にとって炎上や誹謗中傷コメントは日常茶飯事の出来事だと知っている方も多いのではないでしょうか。
誹謗中傷の話は別記事にまとめているので是非とも読んで見てください。

面と向かっての誹謗中傷は、もちろんいけないのですが、SNSでの誹謗中傷はネット特有のタチの悪さがあります。
それは同一人物が、あたかも複数人で誹謗中傷しているかのように書き込むことができるそうです。
実際に誹謗中傷している人は10人だけでも、その規模を100や500に見せることができるということです。
twitterのリプ欄で誹謗中傷している人は見えているほど多くない?
前置きが少し長くなりましたが、鳥海不二夫准教授は計算社会科学を研究しておられるため、炎上の分析をしておられます。
noteのなかで鳥海准教授は国際大学の山口准教授の「実証分析による炎上の実態と炎上加担者属性の検証」という論文を引用しています。
この研究の中で炎上に加担している人の属性、特徴として、次の6つ仮説としてあげています。
- 炎上件数は近年増加している
- 企業に関連する炎上が多く発生している
- 炎上加担者は少ない
- 炎上加担者はインターネットヘビーユーザである
- 炎上加担者は年収が少ない
- 炎上加担者はインターネット上で非難しあって良いと考えている
この仮説の
これら4つの項目は計量経済学的分析の結果、正当性があると判断できることがわかりました。
逆に年収やヘビーユーザーかどうかは、そういう人も含まれているが、炎上に加担している人の大抵はいわゆる「社会的弱者」であるという仮説は成り立たないという結論が出ました。
この研究で大切なことは「誰が炎上させている」ではなくて、炎上させている人の人数自体は目に見えている人数よりも少ない可能性があるということです。
下記が引用元の論文が見られるサイトです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicr/33/2/33_53/_article/-char/ja/
リプライユーザ可視化システムはネット炎上問題の何を変えるのか
鳥海准教授が開発したリプライユーザー可視化システムは
などがでてきます。
これらを見ることで、批判的なリプライをしている人が、批判目的で作っているアカウントなのか、ちゃんと運用されているアカウントなのか、はたまた人間ではなく「bot」だったという細かい分析が可能になります。
これらの結果を見ると、ちゃんと運用されているアカウントよりも、有名人に次々と批判的なコメントを送り続けているアカウントであったりとかロボットだったみたいなアカウントに気がつくことができます。
実際に安倍総理や有名なお笑い芸人の方へのリプライを分析した結果がサイトに出ているのですが、フォロワーが1人もいないアカウントや、誹謗中傷のみのツイートしか乗っていないアカウントが非常に多い結果が示されていました。
このことから、98.5%の人は、悪意を持って炎上にカタンしようとは考えておらず、残りの少数が大きな悪意で手を替え品を替え、炎上させようと必死になっていることがわかります。
冷静に、このような情報を俯瞰したり、証拠としてデータが保存できることが周知されることで炎上案件は減っていくと考えられます。
使い方などは、是非とも准教授ご本人のnoteをご覧ください。
https://note.com/torix/n/n489722612666#0WlHr